「戦後短篇小説再発見10 表現の冒険」

戦後短篇小説再発見10 表現の冒険 (講談社文芸文庫)

戦後短篇小説再発見10 表現の冒険 (講談社文芸文庫)

表現の冒険、と銘打ってあるだけあって非常に冒険的な、というかぶっちゃけると読みづらい作品が数多く収録。基本的にこういった寓話的話にはあまり食指が動かないので、ゼミのテキストでなきゃこの先も触れることのなかった作品だったろうなあ。そういう意味で読んでよかったのかもしれない。でもやっぱり楽しくない。
比較的嫌いじゃないのは内田百間「ゆうべの雲」半村良「箪笥」澁澤龍彦ダイダロス」辺りかな。逆に読むのがしんどすぎたのは稲垣足穂「澄江堂河童談義」笙野顕子「虚空人魚」吉田知子「お供え」や筒井康隆「遠い座敷」もなかなか…。
もっと単純に面白いとか、悲しいとか、明確なものが読みたい。この宙ぶらりんな感じは息が詰まる。