「超劇場版ケロロ軍曹2 深海のプリンセスであります!」

家族というものの意味をを考えるとき、私にとって大きな定義付けとなっているのが重松清の小説だ。
『二つ重なった「帰る」が、すんなりと耳に染みた。「お帰り」と迎えてくれるひとがいるのなら、どこからどこへ向かおうとも、それはすべて「帰る」になる』(重松清,「ビタミンF」より)
必要なのは血の繋がりではなく、「帰りたい」と思う場所、「帰ろう」とする場所であるということ。実は後でパンフレットを読んでから納得したので恥ずかしいのだけど、マールの創り上げた夏美の街は、夏美にとって「帰りたい場所」なのではなく「家族の元へ帰りたいと思った場所」なのだということで、ようやく話の筋がしっくりきました。気丈な夏美がマールとメールを突き放せなかったのは「家族と離れる寂しさ」を知っていたから。もしかしたら2人の中にあった「帰りたい」という奥底の想いが夏美の記憶をああいったかたちで甦らせたのかもしれない。