「スクール・オブ・ロック」

最初は主人公の身勝手さに苛々していたけれど、それを補って余りある生意気で打算的で純粋で一生懸命な子供たち。最後には主人公以上にロックをわかっていたんだと思う。ロックによる反骨を語りながら、校長にビクビクの主人公は滑稽。子供は強い。
アメリカの学校は日本よりずっと子供の数が少ない。1時間半弱でクラス全員が把握できる人数なのがいい。勿論あまりスポットの当たらない子供たちもいるものの、全員に役割が与えられている。必要な人物として描かれている。特にそれがエンディングで伝わってきてよかった。やたら「個性を大事に」と言って協調を蔑ろにする教育はどうかと思うのだけれど、個性と協力が共存するこの映画はとても気持ちがいいと思う。
校長先生になんだか感情移入した。主人公くらい開き直れればいいけど、多くの人はそうはいかない。何かは我慢している。階段の隅で壁に向かって項垂れる彼女の姿に涙した。
そしてやっぱり、音楽って気持ちがいい。