重松清「カシオペアの丘で」

カシオペアの丘で(上)

カシオペアの丘で(上)

カシオペアの丘で(下)

カシオペアの丘で(下)

誰かが死ぬことが途方もなく悲しくても、その先に日々がある。自分と繋がっているひとを、そこから更に繋がっていくひとを大切にしたいと思った。

重松清は短編の方が巧いと思う。長編になると描写がくどくなってしまう。でもこの物語ではそれがいい方に感じられた。何度も何度も噛み締めるように。テーマがとてもわかりやすくて、ちょっとわかりやすすぎる気もしたけれど、ストレートだった分、素直に涙が出た。集大成というのがよくわかった。(重松清がこれまで書いてきた中の、「性善説」的部分というか、人間礼賛的部分の集大成という感じ。)