湯本香樹実,ささめやゆき「魔女と森の友だち」

魔女と森の友だち

魔女と森の友だち

すごく死の匂いがする。一言も『死』なんて言葉は出てこないけれど、濃厚にそれを感じる。ただ湯本香樹実の描く死は単純な終わりではなく、生の続きに存在するものなので怖くはないのだけど、少し悲しい。
「だいじょうぶ、にっこりしてごらんなさい」魔女が自分につぶやく言葉が突き刺さる。死の匂いがするけれど、再生の物語。