山田詠美「はじめての文学 山田詠美」

はじめての文学 山田詠美

はじめての文学 山田詠美

山田詠美はいくつか読んだことがあったけれど、この本で読んだのは「眠れる分度器」だけと思っていたら、「こぎつねこん」も読んでた。話は全然覚えてなかったのに、熱を冷ますためにアイスキャンディーを顔に載せられたシーンだけが妙にはっきり記憶にあった。「顔がしもやけになっちゃうよ」という台詞と一緒に。
すごくお喋りなひとの話を、勢いとテンポに飲まれて聞いていたら、内容にはとりとめがないようだったのにきちんとオチがついていて最後にびっくりする感じがした。時々イラっとするんだけど、なんか気持ちがいい。
「アニマル・ロジック」だけがなんだかよくわからないというか、この話の『私』って誰なんだろう。全篇読まないとわからないかな。