「誰も守ってくれない」

全く期待しないで行ったのがよかったのか、思ったより良かった。マスコミの過剰報道、ニュースのワイドショー化に関して言えば、映画自体の演出もやや過剰とはいえ、着眼点としていいなあと。ただフジテレビが噛んでいるせいか、マスコミ=ほぼ新聞なのがちょっと身内贔屓で笑えてしまいます。おまけに新聞記者役の佐々木蔵之助が怖すぎる。
ネットの描き方については失笑モノでした。2ちゃんを悪の組織かなんかと誤解してないか?2ちゃんでネ申になりたいからって自分の顔まで晒す彼氏とか。無謀すぎる。
ただ、俳優の演技がよかったのです。
志田未来ちゃんは初めてきちんと見ましたが、よかった。あの不安定な不機嫌さや、彼氏と話すときの年相応の無邪気さが、突然日常を失った少女の切なさや不安をよく伝えていた。あとは、これも実は初めてきちんと観た柳葉さん。彼が主人公に怒鳴るシーンがすごくよかった。私はあのシーンでほっとしました。そうだよなあ、そう思わないはずないよなあと。主人公の行動が若干無神経というか、自己陶酔的になっていたので、あそこでガツンと言うシーンがなかったら嘘くさくなってた。
首を捻る部分もありつつも、細部ではいいシーンや演出があったし、全体として流れが速いので結構見られます。考えさせられる部分もありました。