「水の女」

水の女 [DVD]

水の女 [DVD]

期待していたのとはなにか違った。映像は美しい。全体に青みがかっているのも、水も、光も、何より樹海の風景がとてもきれい。でも折角映像を作り込んだ割には、映画全体の空気感がいまいち完成されていない気がする。
ホームレスの女性について優作が想像で語る部分が、私の考えすぎかもしれないし、敢えてそうしたのだとは思うけど、引いた。恐らく阪神大震災のことだと思うのだけど、「本当の地獄は避難所生活だった。盗みや暴力やレイプがあった」みたいなことをいきなり言い出して…ええ!?と。被災したひとに喧嘩売ってるととられても仕方ないし、こういう表現って好きじゃない。涼が樹海で出逢うあの女のひとも、語り過ぎ。奇跡だとか神様だとかは、言葉で言わないで欲しい。優作が「すぐにキレる自分が怖い」とかも言わせるべきじゃなかった。浅野忠信はその佇まいと動作の演技だけで、十分に怖さを表現できる俳優なのに。
UAの長い髪と肢体の美しさが目を惹いた。