「エヴァンゲリオン新劇場版:破」

前作序はTVシリーズの焼き直しという印象が強かったし、実際そうだったと思う。でも今作でこの新劇場版は完全にTVシリーズから乖離した。違う物語へ、それもTVと違うことの違和感など感じさせないままに移行してしまった。本当にすごい。エヴァってこんなにストレートにおもしろい作品だったっけ。聖書なんかの言葉を引用したいかにもややこしそうな台詞も散りばめつつ、でも本当にストレートになった。それは「私が死んでも変わりはいる」という綾波にシンジが叫ぶ「違う!」に集約されていた。鳥肌が立った場面。
アスカの名前変更はなぜ?と思っていたけど、観て納得。似て非なるキャラクターになってる。プライドの高さや傲慢さ、そこに秘めた弱さは同じと言えば同じなんだけど、もっと素直になっている。そしてシンジも、原作にはなかったスキル(料理)を備え、原作以上に真っ直ぐな主人公らしさをを感じた。決していつでも前向きなんかではないし、強引さはないけれど、純粋さと優しさに救われた。