「46億年の恋」

理解するよりも感じる映画。アート系映画は一歩間違えるとひたすらに冗長なだけで見ていて苦痛になることが多いのだけど、90分以内に抑えたせいか集中して観られた。
安藤政信はかっこいい。多分誰が見てもかっこいい。対して松田龍平。時折びっくりするくらい綺麗な顔をするのに、また次の一瞬では平凡な顔になる。終始付き纏う不安定さ。それこそが魅力だと思っている。長い手足を縮こめて体育座りをする姿は、安藤政信より背が高いはずなのに、ずっと華奢に映る。
有吉と香月の2人は想い合ってはいてもすれ違って通じることは最後までなかった。直接的な表現はなく、代わりに漂う濃密な想い。
最後まで香月の自殺の原因はわからなかった。