村上春樹「1973年のピンボール」

1973年のピンボール

1973年のピンボール

村上春樹に苦手意識がやけに強くて、それを克服したくて読んだみた。
大学1年で「風の歌を聴け」3年で「羊をめぐる冒険」を読み、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」に挫折した。そういえば鼠3部作の真ん中を読んでいないなあとこれを選択。残り2部を読んだとき、そのあまりにも何も残らない青春小説に当時はひどくがっかりしたけど、今なら少しわかる気がする。物語はすべてが何かを残したり生み出したりするわけじゃない。でも鼠は旅立てたのだなあ。
追記:既にうろ覚えなのだけど、最後のほうで鼠がジェイに言った、「そうやって何も聞かないで(言わないで?)わかったふりをしても、何もならない」とうような言葉が残っている。コミュニケーションは伝えなければコミュニケーションにはならない。そういう当たり前のことを思う。